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断崖絶壁!



劇場アニメ版断崖絶壁~富士の樹海でつかまえて~(2049年初秋公開予定)
<登場人物紹介>


神田川タケル
女性の性器から分泌される愛液を集め、それを霊的エネルギーに変換して戦う「女汁使い(めじるつかい)」の末裔。
正義感が強く悪を徹底的に憎んでいるが、その反面、自分が女性をレイプしまくってることについては何一つ罪悪感を感じていない。

一族の中でも類稀なる力を持ち、愛液を無数の刃に変えて攻撃する「マン汁零式」、愛液と自らの精液を混ぜ合わせた特殊溶液を用いて契約の儀式を行い、魔界から悪魔を召喚する「サモン・オーガズム」などの技を使いこなす。

村長から絶大な期待を寄せられていたが、一族のためではなく自由気ままに生きる道を選んだため、里を追われ、かつての仲間たちを敵に回すことになった。
それに対抗する力を得るため、「聖マリアの器」と呼ばれる禁断の性器を持つ女性を探しており、街行く女性の下着を次々に脱がしていたところを現行犯逮捕され、現在拘留中。
「精液? 違うな。それは本気汁だ」が口癖。

神田川ルナ
タケルの妹。ヤリマン。

中田英彦
若者達の間で話題沸騰中の人気カフェ「夏色のカンジダ」を経営するエリート税理士。
世界の陰と陽のバランスが崩れてきていることを敏感に察知しており、その原因の全てがタレント織田裕二にあることに気付いているが、今のところファンクラブに入るといった消極的な接触方法しか思いつかず、手を出せないでいる。

また、女性専用車両に平然と乗り続けることが出来れば、そのことすらも人生の大切な思い出の1ページになりうるという独特の自論を持っており、それを実証するため遂に彼は人としての道を踏み外す。

ドン・サウザー
地元の町会議員の座を虎視眈々と狙う野心家。
これまで3度の選挙戦に敗れているが、その原因は全て風水学的なアプローチによって解釈できると考えている。

あくまで推測の域を出ないが、学校給食というシステムを我が国で初めて考案したのは彼である可能性が高い。
マフィアたちにも顔が広く、「侵食する緑」という闇世界の組織に属している。

(※侵食する緑:自然を愛する人たちによる非営利のボランティア団体。主に植林などの活動を行う)

卍瓦猿吉
あまり知られていないことだが、今現在市場に流通しているオナホールの企画・開発は、全て彼1人の手によって行われている。
その技術力は持って生まれた天性のものであり、小学校の図工の授業で「紙粘土で花瓶を作りなさい」という課題が出たにも関わらず、実用性抜群の見事なオナホールを作成したため教諭たちを大変驚かせたというエピソードもあるほど。

女性の優劣を、容姿ではなく膣の締まり具合のみで判断しようという「世界人民平等機構」の主催者も務めており、公私共に充実した日々を送っている。96歳。

アウン・サンスーチ
フィリピンパブで働く健気な少女。
就労ビザの期限が切れることを極端に恐れており、それを維持するためなら手段を厭わない。
そこに目をつけられ、暗殺という汚れた世界に足を踏み入れていくこととなる。

しかし、近所に住むタケルという少年が呟いた「バター犬」という言葉に、その意味は分からなかったもののなんとなく優しい響きを感じたことがきっかけとなって、日本人の全てが悪というわけではないことを知る。
それ以来、漠然とではあるが人を殺すという自らの行為に疑問を抱き始めるが、特に何の対策も講じないし、講じるつもりもない。

普天王
力士。
人智を超えた絶大な力をその身に宿しており、もし万が一彼が8場所連続で負け越すなどの異常事態が発生した場合、世界はあっけなく消滅してしまうというのが識者たちの見解である。本作の主人公。


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え? 紅白日記合戦?
何それ?^^;;;;


みたいな感じの意味の分からない文章でお茶を濁そうと思ったのですが、年末にまで他人の日記を読むことでしか精神の安定を図れない重度のテキストサイトキチガイであるお前らにマジでキレてしまったので、今日はちょっと重大な話をしたいと思います。

僕の日記を昔から見てくださっている極一部のキモオタどもはご存知かと思いますが、僕はサイト開設当初、自分が童貞であることを頻繁にネタにしていました。
なぜならば、20歳を過ぎたにも関わらず人生における家族以外の女性との総会話時間が10分に満たないという有様だったため、せめて日記にでも書いていないと即座に首を吊ってしまいたくなりそうだったからです。

しかし、ある日を境に、僕は童貞ネタを使うのをぴたりとやめました。
そう。僕はこの時、とある女性との間にそれを喪失してしまっていたのです……!!

けれど、当時の僕はサイト上でそれを明記することが出来ませんでした。
お前らが妬みのあまり発狂し、ウイルスメールとかをバンバン送ってくる未来が容易に予想できてしまって、マジで怖かったからです。

仕方がないので僕は、童貞ネタを使わないことでみんながそれとなく察してくれることを望みました。
だけど、見ている人全員がそんな風に思ってくれるわけがありません。
「ねんまにさんはまだ童貞なんですね」みたいなメールが来るたびに、結果的に閲覧者の方たちを騙してしまっているという事実に自己嫌悪したものです。

だから今日、新旧の日記書きたちが勢揃いするこの場を借りて、僕は自分が童貞を捨てた時の体験談を包み隠さず全て話そうと思います。
「新旧の日記書きたちが勢揃いすることと、お前が初体験話をすることに何の関係があるの?」というご意見もあるかとは思いますが、それは僕にもよく分かりません。
あと、「明らかにネタだろそれ!?」と感じるようなこともあるかもしれませんが、これからお話しすることは、恐ろしいことに全て真実なのです……。


奇しくもサイトがきっかけで、僕と彼女は知り合いました。
相手は閲覧者だった人で、俗に言うネゲットです。

最初はメッセンジャーなどでたまに話をするだけでしたが、携帯のアドレスを交換してからは四六時中連絡を取り合う日々が続きました。
前述の通り、女性との会話経験が常軌を逸して少なかった僕は、メールを受信するだけでフル勃起状態になっていたことを今でもよく覚えています。

とは言え、最初から彼女に対してそこまで興味があったわけではありません。
所詮はネット越しの付き合いで相手の顔すら知らないわけですから、森三中みたいな女とメールしてしまっている可能性もあるためです。

けれど、写メールを送ってもらってそんな僕の杞憂は一気に吹き飛びました。
なにしろそれが、通常では考えられないくらい可愛いのです。
マジで小倉優子にそっくりだった。
ハッキリ言って僕の人生にこんな出会いがあるなんて思ってもいなかったので、この時ばかりはサイトをやっていたことを神に感謝しました。(あと、ネットの接続料金を払ってくれている両親にも感謝しましたが、顔面を醜く生んでくださったという前科があるのでどちらかというとぶっ殺してやりたかったです)

写メールをもらったその日から、僕は彼女のことが一気に好きに――分かりやすく言うならばすごくセックスしたくなったため、今まで以上にメールやメッセンジャーのやり取りを重ね、親密になる努力を続けました。
そしてその甲斐あってか遂に、会ってみようという話が浮上してきたのです。

しかし僕が大阪在住なのに対して相手は東京の人だったので、そう簡単にはいきません。
話し合った末、大阪-東京間にある街だからという理由で、熱海で会うことに決定しました。

僕 「でも、大阪からだと熱海って日帰りとかちょっときついなあ……」

相手 「じゃあ、ホテル予約しといて泊まろうよ?」

マジで!!?

我が目を疑うとは、まさにこのことでした。
もしかしたらいつかはセックスチャンスが巡ってくるかも?とは思っていましたが、まさか初対面でそのようなことが出来てしまうというのでしょうか……!?

「え、で、でも、部屋とかどうする……? 2部屋予約する……?」

「なんで? 一緒に行くのに別々の部屋に泊まるのっておかしくない?(笑)」

「あ、ですよね^^;;」

おい! いけるぞ!! いけるぞお前ら!!
なんか知らないけどマジでセックスできそう!!

今まで僕は、セックスするというのを果てしなく難易度の高いことだと考えていましたが、どうやら全然そんなことはなかったようです。
もしくは相手がただ単に壮絶なヤリマンなだけだったという可能性も高いですが、とにかくこの機会を逃すわけにはいきません。彼女の気が変わってしまわないうちに、僕は光の速さでホテルを予約しました。

ネカマに騙されるといった初歩的なミスをしないために、電話で直接会話して相手が正真正銘本物の女性であることも確認しましたし、もはや抜かりはありません。
熱海旅行までは残り約1ヶ月。
僕はコンドームの装着の模擬訓練を行うなどしながら、その日が来るのを今か今かと待ち侘びていました。
しかしそんなある日、事件は起きたのです……。

当時彼女は、僕がサイトを運営していたのを真似て、自分のホームページを作っていました。
コンテンツなど何もなく、ただ彼女の写メールが掲載されているだけのサイトでしたが、そこは小倉優子似の美少女。
口コミで噂が広がったのか、結構なアクセス数があったようです。

そんな訪問者の1人に、写真サイトを運営するアマチュアカメラマンの男性がいました。
そのカメラマンが、彼女の写メールを見て「可愛いからぜひモデルになってほしい」と連絡をしてきたらしいのです。
彼女はそれを承諾し、その日、撮影が行われました。
撮った写真はその男性のサイトに掲載されるとのことでしたので、僕からしても写メール以外で彼女の姿が見れるいい機会です。

「今撮影終わって帰ってきたよー」

「あ、お疲れ! もうサイトに写真アップされてるかな?!」

「あ、うん……。されてると思うけど、なんかちょっと変な風に撮られちゃったから写メと違うかも……」

彼女はそう言っていますが、そりゃ自分で撮った写メと人が撮ったデジカメの写真だと印象は違うでしょうし、そんなところまで気にしても仕方がありません。
それよりも早く写真が見たくて、僕は早速そのカメラマンのサイトにアクセスしました。
見ると、今日の日付で写真がアップされています。
よし、これをクリックだな……。

けれど、おかしいことにどこにも彼女が写っている写真がありません。
なんか、豚?かトド?という感じの肉の塊みたいなのが写っているものばかり掲載されているのです。
まあ頑張ればその肉塊がかろうじて人間に見えなくないこともありませんが、ドランクドラゴンのデブの方をボコボコに強打しまくったら、もしかしたらこんな風になるかも?ってレベルのツラをしているうえに、着ている服が今にも張り裂けそうな豊満すぎる体つきなので、やはり人間だと考えるのは少し無理があるかもしれません。

僕は一度サイトのトップに戻り、ゆっくり落ち着いて彼女の写真を探すことにしました。
深呼吸し、一つ一つ確実にリンクをクリックしていくのです。
日付は今日の日付、間違いない。クリック。名前は彼女の名前、これも間違いない。クリック。そして出てきた写真はさっきの豚。ブラウザの戻るをクリック。もう一度名前を確認。やはり彼女の名前。クリック。出てきた写真は豚。あ、これは、つまり……。

ぎょァあああああああああああああああ!!!!

ちょ!!!!!!?
なんで!!!!??
ちょ!!!!?!?!?!!!

なんで小倉優子が豚になってるんだよ!!!!!?
どう考えてもありえないだろ!!!??!!

もちろん僕も、写メ詐欺だとかそういう言葉は知っていますし、角度や光の加減で実物とは別人みたいになっている写メールを見たこともあります。
だけどこれは違う。
別人みたいとかじゃなくて、完全に別人だもの。
どんなに角度や光を必死に調整しても、豚が小倉優子に見えるわけはないもの。

何か、何かがおかしい。
きっと誰かが、何かを間違えているだけなのでござる。
例えばカメラマンが、彼女の名前のリンクに別の写真を貼ってしまったとか、そういうのに違いない……!

僕は錯乱しそうになる気持ちをぐっと抑え、彼女にそれを確認することにしました。
でも、なんてメールすればいいんだろう……。
「別の人の写真がアップされてるよ」とかメールして、もし、もしも万が一それが彼女の写真だったら……?

迷った末、僕は以下のようなメールを送りました。
言わんとすることを察してくれ、という願いを込めた一通です。

「なんか、違くない……?」

僕は、携帯を握り締めて祈るような気持ちで彼女からの返事を待ちました。
「あ、写真が違ってる! これ別の人だよ!」
そんな返事が来ることだけを期待して。
けれど、大方の予想通り僕の願いは虚しく消え去りました。

「あ、うん……。なんか、撮影の時の照明が眩しくて……目のところ、いつもと違うでしょ」

聞いてねえよそんなの!!!!!!!

確かに、いつもの写メのぱっちりしてくりくりした目と比べると、サイトに掲載されている写真の豚の目はまるで糸みたいに細くなっていますが、どう考えても問題はそんなところにありません。
違うだろ!! 体型だよ!!! 体型!!!
お前は照明が眩しいと、体に肉がつくのかよ!!?

僕が何度も見てきた写メールでは、彼女は小柄でスレンダーなまさに理想の体型をしていたはずです。
こんな、歩行自体が困難そうな豚とは比較対象にすらならないほどに。
なのに、目? よりによって目? 何言ってんのお前は?
思わず全力で罵声を浴びせたくなりましたが、ここはぐっと堪えてもう一通メールを送ることにします。

「あ、いや、カメラマンの人のサイトの写真見てる?」

もしかしたら彼女は、サイトを確認しないで僕とメールをしているのかもしれません。
だから、別人の写真がアップされていることに気付いていない! そうであってくれ! そうだといいな!!

「見てるけど……」

ですよね!!

……ということは、どういうことなのでしょう……。
この豚が、彼女……?
今僕が、メールをしている相手……??
じゃあ、写メールの小倉優子は……? 僕はあの美少女と熱海に行ってセックスするんじゃないの……??

何か、今まで築き上げてきた大切なものがガラガラと音を立てて崩れ去っていくような気がしました。
女性の方たちなんかは、「女の子に対して豚豚言い過ぎ!! 何様なんだよテメーは! 死ねよキモオタ!!」とか思われてるかもしれませんが、だけど僕の気持ちだって考えてくださいよ……。
これまでずっと喋ってきて、彼女だと思ってた写メールの人が別人で、しかも本物はドランクドラゴンの出来損ないみたいだったら……そりゃ、仕方ないでしょう……。豚豚言いたくなるでしょうよ普通……。

泣きそうな気持ちになりながら、しかし事の真相は明らかにしなければダメだと思い、僕は再度彼女にメールしました。

「あの、じゃあ、いつもくれてた写メに写ってるのは誰だったの……?」

「え、あたしだけど?」

うん???
何図々しいこと言い出してんのこいつ?
お前みたいな豚がどう詐欺写メテクを駆使しても、あんな美少女になるわけないだろ!!
腹回りの肉を減らす撮影技法は、現代の科学ではまだ開発されてないんだよ!!!!

だけど僕はこの時、こんな風に考えてしまったのです。
もしかしたらやっぱり、カメラマンの写真の方が何かの間違いだったのでは……?
それはそう、まさに藁にもすがる思い、もしくは現実逃避でした。
けれど、小倉優子似の美少女と熱海旅行するという未来だけはどうしても失いたくなかったのです。

「あ、そうなんだ。ごめん。なんか別人みたいに見えちゃったんだけど……」

「それは、今日ちょっと急いでてお化粧がちゃんと出来なかったっていうのと、あとやっぱり、すごい照明が眩しくて……」

もういいよ、分かったよそれは。
どんだけ照明に罪をなすりつける気なんだよてめーは。

「それとまあ、写メールの方はちょっと画像を加工してるっていうのもあるけど……」

加工ーーーー!??!

予想していなかった言葉が飛び出し、僕は携帯の画面を見つめたまま呆然としてしまいました。
なんということでしょう。一瞬でもカメラマンの写真の方が間違いだと思いかけた僕がバカでした。
彼女は自分の写メールをフォトショップなどの画像編集ソフトでいじくり倒してから、僕に送っていたのです。
確かにそれなら、体型だって変えることができるでしょう。
ていうかお前、それはもはや詐欺罪とかで訴えられてもなんら問題のないレベルやん……。

「じゃあやっぱり、撮影してもらった写真のほうが本物ってこと……?」

「いや、違う! それは違うよ!! だってなんか、変な感じに撮られちゃったし照明も眩しかったし、あの写真とは全然違うよ……!」

もはや照明発言にも突っ込む気にすらなれません。
思えばこの時、僕は彼女に対して「黙れよ詐欺豚!! 死ね!!」とでも言ってブチギレておけばよかったのでしょう。
けれど、僕の諦めの悪さ、いや、セックスに対する執着心はもはや異常と呼べるレベルに達していました。
彼女のこの発言を受けて、あろうことか僕は、「あ、この写真とは違うんだ。てことは、ここまで豚じゃないってことだし、もしかしたらやっぱり写メールの方が本物なのかも……」と考えてしまったのです。
しっかりしてねんまに!! 写メールの方は加工してたって今言われたばっかりでしょ!!

だけど、そんな声は当時の僕には届きませんでした。
僕は自分に暗示をかけ、「角度や照明によっては、小倉優子似の美少女が豚に見えることもある」と思い込むことにしたのです。
するとどうでしょう。
翌日には、「あの写真サイトのヤツは何かの間違い」という圧倒的なまでに無理のある答えを、見事に信じ切っている僕がいたのでした。
そしてとうとう、僕は運命の日を迎えたのです……。


6月という中途半端な時期の平日の熱海駅前は、人影もまばらでした。
この中から僕は、彼女らしき人物を探し出さねばなりません。

新幹線が熱海に近づくにつれ、僕にかけられた暗示は段々と薄れていきました。
それと同時に、膨らんでいったのは恐怖心です。
そういやあいつ、カメラマンの写真だと死ぬほど豚だったじゃん……?

頭の中に鮮明に蘇る、肉塊の画像。
もし、もしも! 熱海駅にいるのが、あの画像そのままの人物だったら……?
全身がガタガタと小刻みに震えているのが分かります。
僕は人を、殺してしまうかもしれない――。

しかしその一方で、やはり彼女は小倉優子似なのだと信じて疑っていない僕もいました。
だってこんなに苦労して、やっと人生に童貞を捨てられるチャンスが巡ってきたんだもの。
その相手があんな豚のはずがない。そんなわけはないんだ。

改札を出て、ゆっくりと駅前に歩を進める僕。
果たしてそこにいるのは、小倉優子か、豚か――。

祈るような気持ちで僕は視線を彷徨わせました。
神様。お願いです神様。
人生で一度きり、たった一度きりでいいんです。
今、この僕に奇跡をお与えください。
もう小倉優子とまでは言いません。
だからせめて、せめて普通に人間として認識できる相手がいますように……!!

もちろん、お前らが既に予想している通り、奇跡なんて起きませんでした。
僕の視界に飛び込んできたのは、駅前に佇む1匹の豚。
まさに、あの写真サイトに掲載されていたままの姿の人物がそこにいたのです。

この時即座に踵を返せば、僕は逃げ帰ることもできたでしょう。
だけどもう皆さんもだいぶ分かってきたと思いますが、童貞の性欲はこの世界の法則そのものをあっけなく超越します。
一歩踏み出した僕は、彼女に声をかけてしまったのです。

しかしここで信じがたいことに、更なる問題が発生!
この、辺り一帯に漂うなんとも表現しがたい不快な臭い!!!
これ!! これ、この女、わきがやんけ……!!!!

……かくして、破滅の術式は完成しました。
普通に並んで歩いているだけで余裕で漂ってくるその刺激臭を鼻に感じながら、僕は自分が一歩一歩確実に、煉獄へと続く階段を踏み抜いていることを確信したのです。

予約してあったホテルに到着してからも、僕の頭の中ではずっと自問自答が繰り広げられていました。
やるのか? 僕は本当に、この女とやるのか?
そうまでして捨てなきゃいけないものなのか、童貞って?
また別の女の人とするチャンスだって巡ってくるかもしれないし、何もこんなギリギリ人間って感じの豚とすることはないんじゃないか?

ホテルの大浴場に入っている間も、その葛藤は続きました。
そもそも、おかしいじゃねーかよ。
小倉優子似の美少女とやれると思ったから、テンション上がってたんじゃないの?
豚でもなんでもいいから、やれたら満足するってわけじゃないだろ?
また次のチャンスを待てよ。性欲に負けて自分を見失うなよ。

けれど、風呂から出て、脱衣場の鏡を見たとき、僕の決意は固まりました。

そうだ……。
次なんて、次なんてないんだ!
お母さん! 僕をこんな顔に生んでくれたお母さん!!!
ありがとう! 僕は今、やっと分かりました!!!
きっと僕には、次のチャンスなんて回ってこない!!
今、このチャンスを生かさなければ一生僕は、セックスなんて出来ないんだ!!!

決めた……。やる。やってやる。
僕はあいつと、セックスをする。

夕食を終え、僕は彼女を散歩に誘いました。
浴衣姿のまま、夜の海岸を歩きます。
これで隣にいるのが、あの写メの通りの女の子だったら、どんなに幸せだったでしょう。
いや、もはや何も言うまい。今はただ、童貞を捨てることだけを考えるんだ。

ひとしきり歩いたあと、僕は彼女を正面から見据え、付き合ってくれと告白しました。
豚でした。どこからどう見ても、完全に豚でした。
だけど僕は言いました。
そこには、「ちゃんと付き合わなければ女はセックスしてくれない」という童貞特有の思い込みと、彼女との今日までの日々へのほんの少しの愛情があったのかもしれません。

OKの返事をもらい、ホテルまで手をつないで帰りました。
わきがの臭いが強烈に漂ってきて死にそうでしたが、なんとか意識を失わずに済んだのは、それよりも性欲が勝った証拠でしょう。
そう、言うまでもなくこの時の僕は完全に勃起していました。
こんなに豚豚言いまくっておきながら情けないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、僕のような子孫繁栄に対して人並み以上に意欲的な男がいたからこそ、現在の人類の繁栄があるのだということを忘れないでください。

そしてなんとか勃起を誤魔化しつつ、ホテルに着きました。
遂にこの時が、僕が童貞を捨てる時がきたのです。

これまでの人生において散々頭の中で繰り広げてきた模擬プレイ通りに事を運びたかったのですが、残念ながら現実では完全に初心者なので、経験のある彼女に進行を委ねるしかありません。
ていうかなんでこんな豚がセックス経験があるんだろう、と思ったけど、僕もしているのでもはや何も言うことは出来ませんでした。

彼女の指示通りに胸を揉み、女性器を少し弄り、いよいよ挿入です。
正直、胸にも女性器にも想像していたほどの感動はありませんでしたが、挿入は! 挿入はきっと違うはず!!
お母さん! 見ていてください!! 僕は今から童貞を卒業します!!

自宅で特訓した甲斐あって、難関であるコンドームの装着も無事終えることができました。
じゃあ、そろそろマジで挿れますよ……。さようなら、昨日までの自分……。

けれど、ここでまたしても問題発生。
挿れるといっても、一体、どのような方法で行えば……?
おまんこを指で広げて、むりやりねじこむ?
それとも、指とか使わなくても自然と入るのかな……?

やべー、わかんねー!
焦った僕は、急いで脳内に蓄えられているAVの挿入シーンを思い返しました。
だけど、そういえば結合部にはモザイクがかけられているのです。
冷静になって考えてみると、挿入の時具体的にどうやってるかなんて見たことがなかった。
なんか男優たちはすごい簡単そうに入れてるから、僕も自然に出来ると思ったんだけど、全然わからない……やばい、どうしよう……。

業を煮やしたのか、豚が僕を下から覗き込むような感じで、「どうしたの?」と聞いてきました。
部屋の電気を完全に消した状態で始めてよかった。
全裸の豚の姿を直視したら、その瞬間に僕は間違いなく、舌を噛み切って自害していたに違いないからです。

「いや、ちょっと、挿れ方が分からなくて……」

情けない笑みを浮かべながらそう言うと、彼女は僕の性器を手で握り、自らの股間に導いて言いました。

「入ったよ」

まるで、「コーヒー入れたよ」とでも言わんばかりのテンションですが、とにかく挿入は出来たらしいのでよしとしましょう。

けど、これが挿入……?
しつこいようですが、それは僕がこれまでの人生でずっと待ち望んでいたもののはずです。
なのに、なんていうか……あんまり気持ちよくない……? 的な……?

もっとこう、絡みつく花弁! 締まる肉壷!!
みたいなのを期待していたのですが、何かが絡みついてくる感触もなければ、締め付けられるような感じもしません。
しいて言うならば、無でした。
挿れている、という感覚がまるでないのです。何もない空間に対して、性器を突き出しているかのような……。
なんていうかこれ、ホントにちゃんと挿入できてるのかな……。

「あの、これ、ちゃんと入ってる?」

「え? 入ってるけど? 早く動いてよ」

問いかける僕に、不服そうに彼女は言いました。
まあ、挿れられている本人が言うのだから間違いないのでしょう。
それに、動いていれば気持ちよくなってくるかもしれません。
僕は彼女に言われたとおり、AVで何度も見たあの腰使いを実演してみることにしました。

「スパーン! スパーン!」

脳内では小気味良い音が再生されますが、実際はたどたどしい感じでしか腰が振れません。
あ、あれ、こんなはずじゃなかったんだけどな。
もっとガンガンに突きまくれる予定だったんだけど、あ、案外難しくね?

日ごろの運動不足が災いしたのでしょうか。しばらく動いているうちに、息が上がってきました。
おいおい、なんだよこれ、きつい、マジきつい、苦しい、つかれる、止まりたい。
こ、こんなにも腰を振るのが大変だなんて、考えてなかった、AV男優とかいってマジすごすぎ、あいつらマジで一流のアスリート……!!

でも、動きを止めたりしようものなら情けない男だと思われそうなので、呼吸困難に陥りそうになりながらも動き続けるしかありません。
それに加えて、この無の感覚!!
そう。動き始めて結構経つのに、挿入している感覚は先ほどとまったく変わらないままでした。
腰を振れども振れども、何一つ僕の性器には刺激が与えられないのです。
なんだよ、なんなんだよこれ……セックスとかいって、気持ちよくもないし苦しいだけだし、ほとんど荒行みたいなテンションじゃねーかよ……マジでなんなんだよこれ……!!

ぜいぜいと息を吐きながら、無の空間に対して腰を振り続けているうちに、僕はやっとこの手応えのなさすぎる挿入感覚の原因が分かりました。
緩すぎるのです。
足の細い女性は締まりがいいといいます。だとすれば、この丸太のような足の女の締まり具合は?

恐らくは、標準値を大きく下回っているはずです。
「お前のが小さいだけだろクズ!!」と仰る方もいるかもしれませんが、僕のは日本人男性平均クラスだと思いますので、やはり原因はこの女の膣の緩さにあるに違いありません。
だというのにこの豚は、

「もっと!! もっと動いて!!」

と、図々しい要求をしてきやがるのでマジで絞め殺したい欲求に駆られました。
テメーが極上のユルマンだからこんなに苦労してんだろ!!? ボケが!!?
と罵倒しまくってやろうと思ったのですが、男というのは本能的にプライドを守ろうとする生き物なのでしょうか。
泣きそうになりながらも、僕は必死に腰を振り続けました。

もうダメ、マジでしぬ、マジむり、動けない。
ホントきつい、なにこれ、セックスとかいってなんなんだよこれマジで、誰だよこんなの気持ちいいとかいったやつ、意味わかんねーよ、全然きもちよくねーよ、しぬよ、いやだよ、やめたいよ、なんだよこれ。

「もっと! もっと奥まで!!」

黙れよマジ殺すぞお前ほんと、部活のコーチみたいなテンションで言ってんじゃねーよ。
奥まで入れようにも、お前の太ももの肉が分厚すぎてこれ以上進めねーんだよ。
もういやだ、無理、ムリムリムリ、全部ムリ、もうムリです、動けません。

朦朧とする意識の中で、僕は相手の全身が異様に濡れていることに気がつきました。
なにこれ……? これは、まさか全部汗……?
まるで、長時間サウナにでも入ったかのような発汗量です。
ああそうか、豚だからちょっと動いたらこんなに汗が出るんだ……。

ある意味感心してしまったのですが、そこで僕は重大なことを思い出してしまいました。
そうだ、こいつわきがだった。
わきがのヤツが、汗をかくとその臭いは壮絶な勢いで強くなっていく……!!

意識した途端、強烈な刺激臭が僕の鼻を貫きました。

「うわーー!!!!!?!?」

「どうしたの!?」

「い、いや、においが……」

「におい? 何のこと? いいからもっと! もっと動いて!! 奥まで!!!」

一体、ここが地獄でなければ、この世界のどこに地獄があるというのでしょう。
凄まじい臭気と戦いながら、快感などゼロのままただひたすらに腰を振り続けるという絶望感。
これが、これが僕が夢にまで見ていたセックスだというのでしょうか。
こんなに苦しむだけなら、したくなかった。こんなことしたくなかった。
神様、セックスがしたいだなんて思ってすいませんでした……。もういいです、許してください……。本当に、すいませんでした……。

肉体が限界に達したのでしょうか。
ついに僕は、もうぴくりとも腰を動かすことが出来なくなってしまいました。
同時に、彼女の膣の中で性器が萎えていくのが分かります。
それを引き抜くと、僕は彼女に謝りました。

「ごめん……」

「いいけど……」

おま……! ちょ……!! いいけど、って!!
なんでこっちは悪くないけど謝ってるのに、そんな上から目線でモノ言われなきゃならないんだよ!
お前は自分に責任があることを理解できてんの!?

けれど、僕は何も言いませんでした。
なぜなら僕はまだ、射精をしていないからです。
おずおずと、下卑た笑顔を浮かべて僕は言いました。

「あ、あの、フェラしてもらっていいかな?」

はぁ?とでも言いたげな豚の表情と、あの時の自分の惨めな気持ちがいまだに忘れることが出来ません。
だけど、仕方ないでしょう!?
ここまで来たら、そりゃもう、プライドも何もかもかなぐり捨てて射精しなきゃどうしようもないじゃないことぐらい、皆さんにもご理解いただけるでしょう?!!

しかし、結果的に僕は射精することはできませんでした。
1分弱で、「疲れた」といってあの豚があっさりとやめやがったからです。
お前、AV女優はアベレージ15分はしゃぶってるだろうが!! いくらなんでも1分とかないんじゃない!?

だけどもう、なんだか何もかもがどうでもいい気分でした。

「じゃあ、寝よっか……」

「うん」



こうして、僕の初体験の夜は終わりました。
セックスとは辛く苦しいものである、ということを学んだ僕は、少しだけ大人に近づけたような気がします。

あの日以来彼女とは付き合うことになったわけですが、それから2週間後ぐらいに、男の家に泊まったというので「それはなんかおかしくね?」みたいなことを言ったら、「束縛しすぎ」という理由で振られました。
ハッキリ言って意味が分かりませんでしたが、それ以上にあの豚が男をとっかえひっかえできるのが不思議でした。
でもまあ、僕みたいなやつが世の中には大勢いるということなのでしょうか。

それでも童貞を捨てたことには変わりないので、友人に事のあらましを伝えました。
「その彼女の写真見せてよ」と言われたので例のカメラマンのサイトのURLを教えると、死ぬほど爆笑された挙句、僕が見ている前でメッセンジャーに登録している人全員にそのURLを送り、「この女とヤレる?」と聞きまくるという屈辱を受けたのも、今となっては良い思いでです。(ちなみに、ヤレると回答した人はゼロでした)

最後に、もしも万が一この相手の人がこれを見ていたらマジ確実に訴訟を起こされるのは避けられないと思うので、先に言っておきます。
全部ウソです。ここに書かれたことは、全て愛情の裏返しというやつです。
どうかいつまでもお元気で――。
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