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ナポレゾン



■ニュース

「では、次のニュースです、あ、えっ……と、ただいま臨時ニュースが入ってきました

 昨夜八時ごろ、神奈川県相模原市鵜野森交差点付近にて
 女性が血を流して倒れているのが発見されました。
 女性は発見された時刻にすでに死亡しており
 警察は現場に残された車輪などの後から轢き逃げ事件と断定
 同じく現場に残されたダイイングメッセージにより
 タレントの水嶋ヒロ氏を容疑者として身柄を拘束いたしましたがそのまま逃走。
 同時刻、空蝉の術を使うくの一に感謝されたとする男が出頭し
 『自分は伊賀でも甲賀でもなく、どちらかといえば木の葉の里派だった。今は反省している』
 と供述しており、警察はこの男とうずまきナルトとの関係を調べるほか
 水嶋ヒロ氏を人質として逃走した警察職員二名を捜索しておりましたが途中
 死亡した被害者の女性が発見されたため、捜索を一時中断し
 水嶋ヒロ氏に轢かれたときの状況などを詳しく伺っているとのことです。

 また、続報が入り次第お伝えいたします。

 さて、次のニュースは豊作を祈って毎年行われる豊穣祭の様子をお伝えします
 毎年子供たちがいらなくなったAneCanを使ってモテカワOL神輿をつくり、それを奉納することでその年一年の豊作を祈願するというお祭りが……」

■懺悔

「……あの……私……」
「どうしました?」
「私……とんでもないことを……ああ……」
「恐れることはありません、迷える子羊よ
 ここは教会、神の御許です。
 神はあなたのいかなる罪も許しましょう

 さあ、心を開いて、懺悔なさってください」
「はい……ありがとうございます……

 あの……私……人を……あろうことか

 人を轢いて……しまいました」
「人を、殺めてしまったのですね?」
「いえ、というか……

 殺めたのかどうか、よくわからないのです」
「よくわからないとは、どういうことですか」
「確かに、そう確かに人を撥ねてしまったと、思ったのですが
 次の瞬間、その人が私の車までやってきて『ありがとうございます』と」
「?
 死んでは、なかったということですか?」
「いえ、というより、全くの無傷で……

 でも私は見たのです! 確かに人を、当てる瞬間の恐怖にゆがんだ女性の顔を!
 でも、どう見ても同じ顔の女性が、『ありがとうございます』と……
 私は、私は罪を犯したのでしょうか!?」
「落ち着いてください。
 轢いたはずが、轢いてなかったと?」
「いや、轢いたと思うんです」
「ではなぜその被害者の女性は『ありがとうございます』と?」
「それは……

 空蝉……空蝉の術ですかね?
 ほら、よく忍者が使う、攻撃を喰らう瞬間に丸太と入れ替わって難を逃れる術、あれですかね!?
 あ、そっか! たまたま丸太を持て余したくの一が、私のトラックを使って空蝉の練習をしたとか!」
「落ち着いて、丸太を持て余したくの一を轢くのは、レアケースにも程があります」
「あ、じゃあ! もしかして丸太にノルマがあるとか!?
 一日五本は使わないと時給が発生しないとか!」
「ポスティングのバイトと忍の者を同じに捉えてはいけません。
 神は平等といっても、さすがにそこは区別します」
「あ、じゃもしかしたらあれですか、影分身!
 自分と全く同じ分身をチャクラを使って作り出す
 ホラ! NARUTOとかでもよくある、アレですよ!」
「落ち着きなさい。神はNARUTOを読んでいません」
「え、読んでないんですか!?
 今暁編が盛り上がってきて、結構面白いんですよ!
 サスケとナルトの因縁が白熱してきて」
「神にNARUTOを薦めるのはおやめください
 神はどちらかというとBLEACH派です
 
 そして貴方がどう思おうと、人を轢いてしまったことが事実なら
 それを重く受け止め、懺悔なさい」
「で、でも、轢いたのが丸太とかチャクラだったら」
「懺悔なさい」
「……

 伊賀でも?」
「貴方甲賀じゃないでしょ別に」

■取調べ

「さて……と、カツ丼も食って、ちょっくら落ち着いたかね、水嶋さん」
「……」
「まあ何だ、警察に、しかも容疑者としてくるのなんざ、アンタ、初めてだろ」
「……僕は」
「まあまあまあ、そりゃ緊張もするし警戒もするわな
 でもね、こっちも仕事なんだわ、水嶋さん
 アンタ、昨日の夜八時ごろ、どこで何してた?」
「だから、言ってるじゃないですか! 僕は仕事で、外出してたって……
 証人だっている! ウソだと思うなら事務所に聞いてくださっても」
「オーケーオーケー、ま、あんたのその必死さを否定するようで悪いんだけど
 事務所の人はさ、アンタの味方のワケじゃない、ね?
 お仕事相手もさ、アンタにいなくなられると困るって寸法だ
 そこで……まあ、わかるよね、言いたいこと」
「じゃあ、僕がここで何を言っても!」
「まー、まあさ、素直に、ね。人間素直さが大事。ね?
 これ、見てくれるかな」
「何ですかこれ」
「事件現場の写真、ちょっと掃除された後だけどね
 ここ、見て、何て読める?」
「……」
「ね。これ、ドラマとかでよくあるよね
 ダイイングメッセージってヤツ
 俺にはさ、コレ『水嶋ヒロ』って書いてあるように読めるんだわ。ね?
 まあこれ以上言うのは野暮ってもんかもしれないからさ、アンタが素直に「警部!」

 ぁんだよ、今取り調べ中、見てわかんだろうが」
(警部、事件当時の目撃情報によると……現場で水嶋さんを目撃したものはおりません)
「それがどうしたよ、こちとら決定的な証拠を」
(それだけじゃないんです、そのときの仕事はロケだったらしく、水嶋さんを犯行現場から離れたところで目撃してる人が大勢いるんです!)
(……じゃ、何、この、ダイイングメッセージ)
(さ、さあ……)
(さあじゃないよ! どーすんの!
 俺もうかなり決め撃ちで言っちゃったよ!)
(ここは一回、身柄の拘束を解くという感じで)
(ダーメだよ! だってもう、スゲーいっちゃったもん!
 船越英一郎も引くぐらい決め撃ちで
 もう火サスっていうか、月月火水木金金サスってぐらいの勢いで言っちゃったもん!)
(でも現状でこれ以上の追求は無意味と)
(何か無いの、何かあるでしょ、ねえ、かくしてんでしょ、ねえねえ!)
(隠してないですよ!
 僕も一応警察ですし、ヒロ様をかばうような)
(あー! もう! ヒロ様とかいうなよ! 俺だってヒロ様って言いたいの結構我慢してやってんだから!)
(なんで警部がヒロ様とか言うんですか!)
(娘が大好きなんだよヒロ様のこと!
 で見てたらなんか俺まで伝染っちゃって!)
(とにかくヒロ様は一旦釈放という形で)
(えー! なんだよそれ俺超かっこ悪いじゃん!
 そこは何とかさ、もう少し引き伸ばして

ガンガンガンガンガンガン!

 何、何の、何の音コレ)
(あー……!)
(ちょ、ドアの外、何アレ、どうなってんのコレ!)
(うちの婦警がさっきからキレっぱなしなんですよ
 『ヒロ様に何かあったらタダじゃおかない』って)
(ちょ、聞いてないよそんなの!
 しょーがないじゃんダイイングメッセージで思いっきり書いてあったんだからー!)
(どうしましょう、コレ、ドア破られるのも時間の問題ですよ)
(一回聞いてみる、ヒロ様に)
(聞くって、何を)
(犯人かどうかに決まってるじゃん!
 さっきの写真で結構ヒロ様キてっからさ!
 もしかしたら『やりました』って言うかもじゃん、ね?)
(ちょっと、それって冤罪じゃ!)
(いーからいーから! ホラ、聞いてみるから!)


「あー待たせたねヒロさ……水嶋くん
 改めて聞きたいんだけどね、ヒロ、水嶋くん!」
(ココ山岡みたいになってますって警部!)
「お前が、やったんだろヒロ様!」
「僕じゃないです」

(駄目だったー!)
(駄目だったじゃないですよ! ヒロ様ってもう言っちゃってるし最後!)
(だってー! もうどうしようも

 ファンファンファンファンファン

 何の音よ今度は!)
(警部、外!)
(えー! ミニパトに完全に包囲されてるー!)
(婦警が本気を出し始めましたね)
(ちょっと、何あの数!
 チョロQの墓場みたいになってるじゃんちょっとー!)
(ど、どうしましょう、もうコレ、釈放するしか……)
(俺の……ベテラン刑事としてのプライドが……)
(警部!)
(逃げよう)
(は?)
(幸いこっちにはヒロ様がいる
 ヒロ様がいる限り、手出しはできんはずだ!)

「来い! 水嶋ヒロ様!」
(ちょっと! 警部! それじゃまるっきり立場が!)
「オラオラー! どきやがれメスブタポリスども!
 てめぇらの大好きなヒロ様の額の処女が破られたくなきゃ
 道を開きゃあがれー!」
(警部ー! ちょっとー!)

■成功


「やったぞい! 成功じゃ!」
「……ええ」
「ついに、ついにワシは
 若返りの秘法を手に入れた!」
「……そうですね」
「悪魔に魂を売った、とワシを罵った奴らに目にもの見せてやろうぞ!」
「……よかったですね」
「なんじゃ、テンション低いの
 もっと喜んだらどうじゃ、悲願が達成したんじゃぞ」
「ええ、まあ、そうなんでしょうけど、あの
 一つ、聞いていいですか」
「なんじゃ」
「なんで、若返った姿が私にそっくりなんですか」
「……

 副作用」
「でかすぎるでしょ、全然副じゃないですか
 1/48スケールのゲルググのコクピットにグリコキャラメルが一個入ってるぐらい、主の部分が少ないじゃないですか」
「仕方ないじゃろーこうなってしまったんじゃから」
「若返るのはまだしも、私に似るのおかしいでしょ
 一体どうすればそんな風に若返るんですか」
「どうって……まず、こう、魔方陣描くじゃろ
 その真ん中にヤギの頭骨を置いて
 蝙蝠の黒焼きに、マンドラゴラ
 ラフレシアの花弁に、ミイラの人灰と……

 AneCan」
「そこそこそこ、最後、最後おかしいでしょ」
「必要だったんじゃって!」
「AneCanどう考えてもいらないでしょ! 何に使うんですか!」
「召還した悪魔への供物として」
「それが何でAneCanなんですか!」
「エビちゃんCanCam引退したじゃろ」
「だから失敗してたんですか今まで」
「だって悪魔が、『エビちゃんのいないCanCamなんて、イチローのいないレッドソックス』とか言うから」
「どんだけエビちゃん好きなんですかその悪魔
 あとイチローは端からレッドソックスにいないです」
「ワシに言われてもなー
 ワシだって色々試したんじゃよ
 SpringとかMOREとかViViとか……」
「何で若者向け女性誌ばっかなんですか……
 道理で最近、悪魔学と関係ない雑誌ばっかり買いに行かされると思ったら……」
「あ、でも婦人画報にはちょっと食いついとったぞ」
「そのまま旅館の女将みたいにしてもらえばよかったんですよ」
「でもやっぱエビちゃんかなー、って言うから」
「まあ、それで性別が変わるのはいいですよ、まあ、いいですよ
 そんで何で『私』に似るんですか!」
「『それで、今日はどんな感じにしますかー?』って言うから」
「なんでそこだけ美容師っぽいんですか」
「やむをえずお主の顔写真を」
「そこ! そこですよ!
 なんで私の写真出すんですか!
 エビちゃんにしてもらえばよかったじゃないですかそのまま!」
「『人間ごときがエビちゃんになろうとは……片腹痛いし!』って言われて」
「世の中の女子高生見たら片腹吹き飛びますよその悪魔
 だからって私に……それに一体どこで私の顔写真なんか……」
「履歴書に貼ってあったのを、な」
「ああもう……とにかくもっかい呼び出して、別の顔にしてもらってください」
「えーこれはこれで気に入っとるのに……カーッ!
 別にいいじゃろ減るもんじゃなかろうに……

 カーッ!」
「私の顔で痰からめないでくださいよ!」
「ぺっ!」
「吐くなー! もーサイテー!」
「あ、ほらほら、見てみぃ!」
「ええ!? 何ですか今度は!」
「吐いた痰がパピヨンみたいな形になっとるぞ!
 さすがギャルは痰もオシャレじゃの!」
「死ね! もう、死ね!

 とりあえず、もっかいそのアホ悪魔呼び出して、別の顔にしてもらってください!」
「だってもう雑誌もないし」
「私が買ってきますよ! 週刊司馬遼太郎とかでいいでしょ!」
「嫌じゃ!
 上から82・58・83の司馬遼太郎なんて嫌じゃ!」
「ちょ、ついてこないでください!
 見られたら大幅に誤解されるじゃないですか!」
「ヒロに! せめて水嶋ヒロに!」
「ふざけんなクソプロフェッサー!
 ついてくんなー!」


■魔界


「あーエビちゃんかーいーなー」
「また読んでるのかアスモデウス」
「いーじゃん別に」
「いいけど、良く飽きないな」
「だってさー

 あ、そーだ、アザゼル
 アンタちょっとAneCan買ってきてよ」
「やだよ、自分で行けよ」
「アタシだってやだよ!
 現世って今超寒みーじゃんか!
 そんで本一冊買うのに媒介に受肉して、顕現して、対価払って
 めんどいし!」
「そのまま行けばいいじゃないか」
「アタシがすっぴんで行ったら現世超混乱すんじゃん! 
 写メとか撮られたらどうすんの、アタシが知らないやつに写メ撮られてもいいの!?」
「帽子とサングラスとマスクしてけよ」
「アタシさー
 牛・人・羊の頭とガチョウの足を持ってて、地獄の竜に跨りながら口から火を噴いてんだけど。

 帽子とサングラスとマスクでそれ誤魔化されるわけ?
 ニンゲンって愚かとかサタン様言うけどさ、何、それで誤魔化されるぐらい愚かなわけ?」
「適当に崇拝してるやつ媒介にすれば」
「ふっざけんなよアザゼル
 アタシがソロモン七十二柱の何番目か知ってんの?

 序列三十二位よ! 三十二位! 
 そんなマイナー悪魔崇拝してるやついねーっつーの!
 mixiのアスモデウスコミュもさ、五人しかいねーし
 しかもそいつらのうち四人はなんかゲームから入ってきてっし
 日記読んだら写メとかキモヤバではぁ!? って感じだし!
 だからアザゼル、あんたさー行ってよーねー」
「なんかいないの、魔界に。持ってるヤツ」
「いない。つか全部神のバカが持ってる」
「なんで」
「つか、アイツすっげームカつくんだけど
 こないだパンデモニウムで隣の席だったんだけど
 スッゲーこれみよがしにAneCan読んでんの
 マジウッゼーとか思ってガンシカしてたら
 『小悪魔メイクかー』
 とかいっててはぁ~!? って!
 こちとら大悪魔メイクですけどぉ~!? 
 地獄の王ですけど何かぁ~!? って感じでホントMKSって感じだわ」
「MKS?」
「マジでキレて千年戦争」
「ああ……
 まあ、神に見せてもらえよ」
「嫌だし。
 つかアイツら最近マジこいてんだけど
 こないだの親睦戦争の時も『卍解! 卍解!』とか連呼してて
 ウゼーオタク帰れーとか超思ってたし
 死んでもアイツらに頭下げんのやだ

 つかアザゼル、アンタ、堕天使じゃん?」
「うん……だから何」
「ホラ、ないの、パイプとか。神側に」
「無いよ。つか俺エデン、出禁だし」
「アンタ、何したんだっけ?」
「いや、なんか、命令無視してニンゲンとイチャイチャしてたら、堕天した」
「あー

 ごめん。何かごめん」
「いいよ、別に。もう昔のことだし。
 あれじゃん? 今日一回顕現してさ、定期購読しなよ」
「いやーそれ前アスタロスに同じこと言われてさー
 マジ頭いーとか思って行ったんだけどさー
 
 なんか定期購読するためには連絡先とか書かなきゃ駄目じゃん?
 しゃーなしで『コキュートス』とか書いたらはぁ?的視線くらってさー
 つか何、そもそもどうやってニンゲンが配達するわけ? つって
 『お客様から取りに伺っていただかないと』とか言われてさ
 何、じゃあ、アタシを崇拝してくれる?
 つかコタツからマジ出たくねーし勘弁とか思ってー
 やめた」
「あー
 でもそれは神も同じなんじゃないかな」
「あいつら創造主じゃん!
 だからマンガとかアニメとかさーすっげー持ってんの、だりー!
 『お前に渡したら雑誌じゃなくて、堕天誌だな(笑)』
 っつってー、うぜー!」
「まあまあ……
 ていうか、そろそろいかないと」
「ああ? 朝礼?
 いいよ出なくて……」
「マズいだろ」
「いいって……寒みーし
 つか声にやたらエコーかかってて何言ってっかよくわかんないんだよね、サタン様」
「んー、まあ、俺は行くけど」
「マジメちゃん」
「そういうんじゃないけど」
「堕天してから反省しても遅いんですけどぉ~? っつってね」
「いや、別に」
「アレでしょ、フられてから服装とか振舞い方に気をつけるようになるタイプでしょ?」
「……」
「あ、怒った? 怒った?
 ごっめーん! アザゼルちゃんごめーん!」
「行くから」
「あいあーい、いってら

 あー……
 エビちゃんかーいーなー……」
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